第3話 異星人との出会い
【場面:地球上空・捜査艇内】
リンバは、イオのAIニビルに4Dマンの宇宙電磁波の位置を確認していた。
リンバ「ゴンズ、どうやら“東京方面”にいるらしいぞ。」
ゴンズ「そうか。でも今のこの姿じゃ、目立ちすぎるだろ?」
リンバ「そうだな……おい、見ろ。あの走る金属の箱にちょうどいい人間がいる。」
ゴンズ「リンバ、あれは“車”っていう乗り物だ。」
リンバ「……お前、詳しいな。」
ゴンズ「おれは歴史を少し勉強してるからな。お前と違ってな。ワハハ!」
リンバ「ちっ……!」
ゴンズ「よし、お前は“男”、おれは“女”に擬態しよう。」
【場面:道路脇の駐車車両内】
(効果音:シュルシュル〜)
いきなり現れた異星人に、車内のカップルは言葉も出なかった。
リンバとゴンズは光に包まれ、それぞれ男女の姿に擬態する。
リンバ「よし、これで地球人の姿だな。」
ゴンズ「ふふふ……さあ、“東京”とやらに行こうぜ。」
【効果音】
タイムシューター起動音/転送音
【場面:地球・品川区/ホテル】
ゾナはホテルをチェックアウトし、品川の街を歩いていた。
その途中、ある介護施設の前を通りかかる。
(効果音:男性の怒鳴り声・ガヤガヤ)
ゾナの超感覚耳が、ある声を捉える。
男(介護職員)「このボケジジイ! 早く死ね!」
ゾナ「ん?……これは、パワハラか。」
ゾナ「俺たちの世界でもパワハラはあったからな……ちょっと透視してみるか。」
【ナレーション】
ゾナは透視能力で建物内部をのぞき見る。
介護士が、認知症の老人に暴言・暴力を繰り返していた。
ゾナ「……人間の尊厳を無視するやつは、許せんな。」
【場面:介護施設内/病室】
(効果音:ゾナの気配がスッと消える)
ゾナは姿を消して、老人の背後に現れる。
(効果音:パワー注入・小さな電子音)
ゾナが老人にパワーを送り込む。
バシーンッ!
突然、老人が介護士の頬を平手打ちする!
男(介護士)「いてっ! な、なんだよジジイ!」
怒った介護士が右手を振り上げる!
だが、老人はヒョイと避け――
ズドッ!
老人の回し蹴りが脇腹にヒット!
男「ぐああっ……!」
すかさず、顔面にハイキック!
(効果音:ドゴォッ!)
男はふっとばされ、ベッドの角に後頭部をぶつける。
(ゾナが、老人の口を通して話す)
老人(ゾナ)「おい、二度とワシをいじめるな!
ワシは空手の有段者じゃぞ。分かったか?」
男(介護士)「わ、わかりましたぁ〜! すみませんでした!」
(介護士、ペコペコ頭を下げる)
他の職員が飛んでくる。
職員A「どうした!?」
職員B「大丈夫か!?」
老人(ゾナ)「な〜に、ちょっと二人で運動しただけだよ。ワハハハ!」
職員A「……岩田さん、今日はハッキリしてるな?」
職員B「認知症が治ったんじゃない?」
職員C「たまに正気に戻ることあるからな〜」
【ナレーション】
ゾナは静かに、老人の背後から離れていった。
(注)読者のみなさん、お分かりですね。
ゾナが老人を操り、悪徳介護士を懲らしめたのでした――
ゾナ「いや〜、なんか良いことしたな。ワハハ!」
【場面:原宿/夕方】
リンバとゴンズが、街の雑踏に立っていた。
リンバ「……人間が多いな。」
ゴンズ「下等な人間は、群れるのが好きだからな。気にするな。」
リンバ「だが、捜索には邪魔だ。奴が“4D”を使わなければ、電磁波が出ない。」
その時――
(効果音:ビーッ!ハンドスキャナー作動音)
リンバ「おい! ゴンズ、奴が4Dを使ったぞ!」
ゴンズ「どこだ!?」
リンバ「近い! 行くぞ!」
その時、ふたりの前方に、ひとりの背の高い男が現れる。
男の目が、赤く光る。
リンバ「……あいつ、地球人じゃないな。」
ゴンズ「まてよ……あれは、パドリア星人だ! 銀河星雲の!」
リンバ「なに? 俺たち以外にも、異星人が来てるのか!?」
ゴンズ「ああ。聞いた話だと、10万人以上がこの星に潜伏してるらしいぞ。」
リンバ「この惑星、銀河連邦にも入れてないからな……偵察されてるってわけか。」
突然――
(効果音:ドギュゥーン!)
パドリア星人がクックロックガンを発射!
リンバ・ゴンズ「何っ!? こいつ……敵か!?」
【ナレーション】
次々と明かされる“異星人たち”の存在――
ゾナの力を追う捜査官たちの前に、新たな脅威が立ちはだかる!
【次回予告】
ついにゾナと捜査官たちの接触か――!?
そして、パドリア星人の目的とは……